170日目
宿泊地 :アレッポ / シリア
移動 : ハマ → アレッポ(1.5h)
【13:00~14:30(バス)】
宿の設備もよく、バスターミナルへのアクセスも良かったことから、シリア中部の観光の拠点にしていたハマ。5日間滞在したこの街をはなれ、北部のアレッポへ移動。
ハマを出たのが遅い時刻だったため、アレッポに到着したのはもう外が暗くなり始めている頃だった。ここ数日、ひたすらと日帰りで観光を続けていたためか、体よりも頭の中が消化しきれずにいる情報で重くなっているように感じる。
今日は荷物を置いて寝れる場所を見つけられたらそれで終わりでいいやな。そう考えながら安宿の集まる区画へと向かう途中、広場で妙なテントを見つけた。
【何かの政治組織が催しているイベントのよう】
貼られたポスター等から、どうやらガザ空爆を非難する趣旨のものらしいということがわかった。イスラエルを訪問後、高まっていたイスラム系の政治組織への関心がここでま刺激され、疲れから思考を拒否していた頭も急に冴えてきた。
時間も時間だったため閉められてしまってはかなわない。宿は最初に見つけた安宿に決め、そこに荷物を置きすぐにまた広場へと戻る。
イスラム政党とパレスチナ、この2つの言葉が同時に現われると、われわれ日本人は反射的に何かきな臭いものを感じてしまう。テントの前まできたものの、異教徒でありアメリカ寄りとされる日本人である自分を省みて中に入るのに少し躊躇していた。
しかし、見ていると仕事帰りの会社員や通りすがりの子供たちまでもが気軽に出入りしているのがわかる。
日本ではテロ組織といったイメージが強いハマスやヒズボラなどのイスラム教政治組織だが、教育や医療、福祉に関する活動にも熱心で、地元では特に低所得層を中心に強い支持を集めているとの話も聞く。地元に根ざし、そして外に向かって自分たちの権利を力強く主張してくれるこれら政治組織の存在は、中東においては違和感なく国や町に同化しているようにも見える。
なんのことはない、これも日常よく目にする種のイベントなのかもしれない。とりあえず入るだけなら何かを咎められることもないだろう、そう思い直し、何かをしきりに訴えかけるアラビア語の野太い声のアナウンスが流れる中へと足を踏み入れてみた。
【テントの中】
【ガザの空爆被害を伝える写真 1】
【ガザの空爆被害を伝える写真 2】
【アラブ系の国では、ニュースや新聞でもこうした映像を目にする】
【ポスター 街中にも貼られている】
テントは入口から出口まで10mもない小さなもので、その壁にはガザ空爆により死傷したパレスチナ人の写真や、イスラム教の政治組織のポスターなどが展示されていた。
中のデスクに座っていた青年が友好的だったので少し話をしてみた。
彼らはパレスチナからきたパレスチナ人で、週に何度かこうした展示場を出しているらしい。英語があまり通じなかったためあまり情報を引き出すことができなかったのだが、ジハード団(エジプトの組織と同一のものかは不明)などと関連を持ったパレスチナの政治組織で、パレスチナ解放への協力を訴えているとのこと。
彼らの掲げるるパレスチナ解放というのは、自治区からのイスラエル撤退でなく、パレスチナ(現在のイスラエルおよびパレスチナ自治区)全土をアラブの手に戻すことを意味する。
イスラエルで分離壁を見たとき、イスラエルの推し進める強硬な政策に嫌なものを感じたが、ここでも似たような感覚を覚えた。現状を踏まえた場合、それを最終目標でなく士気を高めるためのわかりやすいスローガンというレベルまで落として解釈しても、こうした全土の奪還を目指す活動にもやはり賛同しかねる。
引けばそこに付け込まれ押し込まれる、そうした緊張した対立関係が見えるとともに、その彼らの声の出所が決して表面的なものでなく、実に深いところにもありそうだということも感じられた。
こうした政党が国内でどのように存在しているかもう少しでも見てみたい。少し迷っていたが、レバノンにも行くことを決めた。
【売られていたキーホルダー イスラエル全土がパレスチナの国旗になっている】
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