先月の下旬から、ゴールデンウィークと合わせ17連休をとり北欧を旅行してきました。これが仕事以外では世界一周後、初の海外旅行となりました。数えてみると、世界一周を終えてからもう3年半が経っていました。帰国してしばらくの間は、今後は海外旅行をしたいなんていう気が起きないのではないかと心配するほどモチベーションが低下していましたが、今回の旅行は半年以上前の準備段階からやる気満々で、まだまだこの趣味が楽しめそうだと嬉しくなるとともに、好奇心を失っていないことを感じてしみじみしたものでした。もっと若かった頃は、自分の中に昔の自分の感覚を見出すと成長していないと情けなく感じたものですが、今では逆に喜んでしまうのですから、まあ年をとったのだろうと思います。
さて今回の旅行ですが、世界一周中には物価の高さから入国を避けていた北欧諸国5カ国を急ぎ足でまわってきました。その中でメインとしたのはアイスランド。これが期待していた以上に素晴らしかったので久しぶりにブログを書く気になりました。まだ個人の旅行者向けの日本語ガイドブックがないようなので、見どころだけでなく宿泊や交通情報を含めた旅行情報をモデルルートとしてまとめることにしました。
あとで読むとがっかりすると思うので先に書きますが、このルートで旅行するには運転免許(マニュアル)が必須です。
<基本情報>
◆観光シーズン
夏(6月~9月)がシーズンです。この期間以外は、都市間をつなぐバスが運行されないなど移動手段が制限されます。現地でツアーに参加するのであれば問題ないと思いますが、夏から大きく外れるようであれば事前にツアーの有無を問い合わせておいたほうが安心です。ちなみに夏は日が長く22時を過ぎでも外が明るいため、夜も暗くなりきらずにオーロラはなかなか見られないようです。訪れる地域によって差はありますが、9月後半から3月頃までは可能性があるという話を聞きました。
◆公用語
アイスランド語ですが、どこでも英語が通じます。
標識などの地名は基本的にアイスランド語表記のみです。アルファベット以外の文字も含まれているため、読み方がよくわかりませんでした。
◆通貨
アイスランド・クローナ 1クローナ(Kr)≒0.85円(2013年4月)
物価の高さで知られる北欧諸国の中でも特に高いイメージの強かったアイスランドですが、2008年の金融危機を機にクローナは暴落し、今ではかなり旅行しやすくなっています。金融危機以前は1クローナはおよそ2円でしたから、今はその半分以下の水準で旅行できてしまいます。クローナの暴落に加え政府が観光誘致に力を入れていることもあり、今では毎年20%のペースでアイスランドを訪れる観光客が増えているそうです。
余談ですが、北欧の中でもっとも物価が高く感じたのはノルウェーです。コーラの500mlボトルが500円、バーのカクテルは1杯1500円、ちょっと雰囲気の良いカフェで売られているパンは1700円と、なんかもう笑えました。
◆宿泊
多くはないので、旅行期間を決めたら早めに予約したほうが良いです。旅行者の増加があまりに急激で、交通機関や宿泊施設の整備が間に合っていないようです。混雑を避けるためなら多少の寒さも我慢するというのであれば、4,5月または9,10月とピークシーズンを避けるのも手です。私は4月の末から5月初旬に旅行しましたが、気温は0度前後ありました。街中で着るコートなどではなくアウトドア用のジャケット(風がものすごく強いために風を通すアウターだと相当辛いと思います)を準備すれば、この時期の旅行も問題ないと思います。ただし、北部をメインにまわる場合には注意が必要です。
大型のホテルはまだあまりないようで、地方では個人経営の宿やユースホステルにも泊まることになる可能性が高いです。日本のビジネスホテルレベルの宿泊施設でも不満な人には旅行自体あまりおすすめしません。と言っても、どこもとても清潔でしたので、普通の感覚の方ならまったく問題ないと思います。
予約サイト
Booking.com: http://www.booking.com/
ホステリングインターナショナル: http://www.hihostels.com/
Hostelbookers: http://www.hostelbookers.com/
など。
走行ルートとともにホテルを検討するので、所在地を地図上で確認できるBooking.comが最も便利でした。また、Booking.comに登録されているホテルは全て2日前までのキャンセルが可能でした。これは予約時ではなく宿泊当日のレートでお金を受け取りたいという、ホテル経営者のクローナへの不安の表れかもしれません。とりあえず当面は状況も変わらないと思いますので、仮でも良いのでルートを決めたらすぐに宿をおさえることをおすすめします。
◆交通
上記の通り、夏以外はバスに頼って旅行することもできません。またバスが使える時期でも、時間やルートが制限されるため、ツアーに参加せずに効率よく観光することはおそらく不可能です。ですので、アイスランドはレンタカーで旅行します。
レンタカー
おそらく最も安いのがSixtです。(URL: http://www.sixt.com/ )
ネットで予約すると、3,4割安くなりますので事前予約は必須です。
返却時にガソリンが減っていると、市場価格よりも割高(倍くらい)な金額でガソリン分の料金が加算されますので、満タンにして返しましょう。私が旅行したときは、ガソリン価格は 1LあたりKr140(120円)くらいでした。借りた車はリッター10km くらい走りました。
Sixtはレイキャビク周辺に3店舗あります。ケプラヴィークにある国際空港内とレイキャビク市内の国内線空港、市内の西の外れの1店舗の計3店舗です。空港で借りるまたは返してしまえば楽だと思うかもしれませんが、私は市内の店舗で借りることを強くおすすめします。理由はルートの詳細で説明します。
私はもっとも小型の乗用車に、自己負担限度€300の保険をつけ4日間借りました。一日あたりの料金は約8,000円(Kr9,500)でした。自己負担を€1,500まで上げると一日あたり2,000円ほど安くなりますが、海外での運転による事故は海外旅行保険ではカバーされないので、念のため高い方を選択しました。免許取得以来、10年ぶりとなるマニュアル車の運転が心配だったという事情もありました。さらっと書きましたが、基本的にレンタカーはマニュアルですので、免許のない方は日本で取得しておかなければなりません。私のように普段マニュアルを運転しないという人も、日本にいるうちに練習しておいたほうが良いと思います。私は感覚どころか運転方法さえ忘れていた上に初めての左ハンドル、右車線走行だったので、初日の午前は冷や汗をかきながらの運転となり異様に疲れました。
オプションでナビもつけられますが、古く小さいため画面が見にくく、またアイスランドは道の選択肢は少ないので不要だと思います。極度の方向音痴の私でも問題なかったので皆大丈夫だと思います。タイヤは何もリクエストしませんでしたがスタッドレスでした。
アイスランドではまだ未舗装の道路が少なくなく、4WDでなければ走行できない道があります。主な見どころは舗装路だけで行けますが、自由にどこでも走りたいという方は、レンタルの料金は倍以上しますがそのような車を借りておかねければなりません。
[4日間で1200km走りました]
<モデルルート(8日間)>
実際に私が旅行したルートが元になっています。
この日数であれば社会人でも頑張れば確保できる旅行期間だと思うので、これをおすすめルートととしてまとめました。私自身はもっと日数を割こうと思えば割けたのですが、比較的見どころの少ない北部まで足を延ばすとなるとさらに3日以上が必要になりそうだったので、アイスランドの南半分にしぼりました。 旅行後も、この期間、このルートで正解だったと思えています。
1日目: 日本出発、経由地着後、現地泊
2日目: レイキャビク着 市内観光
3日目: レンタカーの旅 1日目 ~ゴールデン・サークル~
4日目: レンタカーの旅 2日目 ~スカフタフェットル国立公園(南)~
5日目: レンタカーの旅 3日目 ~ヨークルスアゥルロゥン、ディルホゥラエイ~
6日目: レンタカーの旅 4日目 ~ブルーラグーン~
7日目: レイキャビク発
8日目: 日本帰国
一つの記事にする予定がだいぶ長くなってしまったので、ルートの詳細は次の記事にまとめます。
アップしました(2013年5月19日) ⇒ その2 「モデルルート」