==================================
■ 性別: 男性
■ 年代: 20代
■ 件名: きっかけ。
■ 本文:
こんにちは、ブログ拝見させて頂きました。世界一周全てを、捨てて出られるなんてかっこいいですね!
そこで、質問です。多分トピックには、なかったのですが一番自分が気になるのは、何がきっかけで、世界一周をしようと決められたのですか?
お時間あれば、ご返答お願い致します。。
==================================
今日はたまっていた質問に答えます。 目標3件の2件目!
世界一周に興味を持ったきっかけはAboutのページに書いてあるので省かせていただきます。
出発は大学を卒業したときから考えていました。
「【Q&A回答 4】世界一周の資金はどうやって準備しましたか?」
内なる部分で説明するのであれば、世界一周を決めたきっかけは単純に好奇心です。
-----------
リンクを張ってしまって終わりであればメールで回答したのですが、一つ、どうしても触れておきたかったことがあったのでブログで回答することにしました。気になったのはこの部分。
「全てを捨てて」
特に深い意味はなく言葉のあやで使われたものということはわかっておりますので、質問に対しての返答ではなく、いただいたきっかけから私が書きたいことを勝手に書いているだけものとして読んでいただければ幸いです。
-----------
私は「選択」というものには多かれ少なかれ必ず取捨がついてまわるものだと思っています。もちろん世界一周を決行するうえで失ったものもあります。しかし同時に得られたものもたくさんあります。もし世界一周をしなかった場合、このときも同様に得られたものがあると思いますが、必ず失ったものもあったはずです。
一見、新たなトライをしない場合には損失はないように見えるかもしれませんが、そのときも無意識のうちに何かと比較したうえで「しない」という選択をし、手にできるはずだったものを失っていることを忘れてはいけないと思います。
現状維持というとまるでプラスマイナスがゼロ、もしくは微増というようなイメージを持たれる方が多いと思いますが、果たしてそうなのかと、昔からそうした不確定のリスクを過大評価する周りの風潮に違和感をもっていました。世界一周に限らず、何かを決断するときには挑戦のリスクだけでなく、維持のリスクも認識し、公平に比較検討する必要があると思います。しかしなぜかあまりそうした話にはならない。別に失敗したら首を吊らなければならないほどの大きな選択というわけでもないのに、若い人がなんとなくで維持の方向に流されてしまうのを見るととても寂しい気持ちになります。
保守的になるということは、保守するものがあって然るべきです。それは一体何なのでしょうか。そしてそれは手放したら二度と同等のものは手に入らないようなものなのでしょうか。手に入れたいと願うものよりも確実に大きいものなのでしょうか。
見えているものの、実感できているもののプラスというのは例え小さくとも、不確定で未経験なものと比べると魅力的に見えるのは仕方がないことだとは思います。しかし、人生全体の満足度を上げていくためには、手に入れたもの、つまりは過去ばかりを眺めるのが得策とは思えません。それでもどうしても先が怖く見えてしまうのであれば、すぐには比較せずに、まずは自分の足元の確認に努めるのが良いのかもしれません。そこはゴールなのか、そこは盤石なのか、死んでも動きたくない場所なのか、前後(過去未来)を含めて考えてみる必要があると思います。その後に新たな選択肢を持ってきたら、もう少しフェアに比較できるようになるかもしれません。
もし「全てを捨てないと世界一周なんてできない!」と考える人がいたら残念だと思い、質問とは直接関係のないことも書かせていただきました。
日本人にもう少し「機会費用」について考える習慣がついてくれば、セーフティーネットも自ずとチャレンジを促進する方向に整備されていくような気がします。そうした社会に近づけるためにも若い人を中心にどんどんとチャレンジをして実績(成功よりも失敗後の無事の実績が重要)をつくり、世の中の空気を変えていってくれれば良いなと思っています。
-----------------
以上です。