225日目
宿泊地 : Stand Guest House (ムベヤ / タンザニア)
移動 : ダル・エス・サラーム → ムベヤ(25h)
【前日19:00~20:00(列車)】
タンザン鉄道はタンザニアとザンビアをつなぐ鉄道だ。それぞれの頭をとり、タンとザンでタンザン鉄道。当初は2晩かけてそのままザンビアのカピリムポシまで移動してしまおうと考えていたが、マラウィがなかなか良いらしいという噂を聞き、マラウィ国境に近いムベヤまでの切符を買い、昨日列車に乗り込んだわけだった。
買った切符はファーストクラス。とは言っても車両もコンパートメントの中もとてもきれいとは言えない。昨日から頭の奥のほうに鈍痛があるため、昼過ぎにはまたコンパートメントに戻りボーっと天井を眺めていた。
【ファーストクラスのコンパートメント】
【中国の列車と同じつくりだった】
天井には薄暗い電灯がついているが、そこにはいくつかクモの巣が張られていた。そのうちの一つに、小さなトンボがかかっているのが目に付いたため、何をするのでもなくただ眺めていた。
羽をばたつかせるトンボ。しかしあがけばあがくほど、ねちっこちクモの糸が体に絡まる。そしてその間にも、クモはせっせとトンボに新たな糸を絡ませていく。せっせせっせと働くその姿は、暴れるトンボよりもよっぽど紳士らしく見えた。とにかくゆっくりと地道に、確実にトンボの自由を奪っていく。
もう30分ほど経っただろうか、トンボはまだ抵抗を止めない。このあたりからは、生への希望はいつ絶たれるのか、その後はどうやって最後のときを待つのか、そこに関心を置き来る終焉を待っていた。だが、トンボはそれに抗うことをやめなかった。目に見えて羽をばたつかせる力は衰えているものの、それでもやめなかった。よく諦めないなぁ、そう思って見ていた。
人間だったらどうだろうな。そして自分はどうだろう。諦めるタイミングはどんなものなのか考えて見たが、体よりもかなり先に心に限界が訪れることが容易に想像できた。
【たまにバオバブの木も見える】
【車窓から 東アフリカは緑が多い】
【タンザン鉄道は中国の援助で完成したという話を聞いていたけど、線路にもご丁寧にほら】
見ているうちに、トンボの反抗がとても美しいもののように思えてきた。このトンボの、これまでの人生そのものを見せ付けられているような気にもなった。生まれてからずっとこのように生を満喫していたのだろう。肉体の限界が心の限界に肉薄するまで切実に、いつ途絶えようと確実にそう言えるほど、生をやり遂げてきたのだろうと思った。
人間はこういった動物に比べれば複雑で難しい心理を持っているが、それでももし心の限界を意識的に肉体のそれに近づけることができたら、より良い美しい人生をおくれるような気がした。精神が肉体を超えようものなら、そこに見えるの間違いなく美なんだろうね。人生そのものに芸術性や美を求めるのも悪くない気がする。
暗く汚い部屋の一角で輝く生の美しさを見て、なんだか反省させられた。
【ひまわり畑】
【大自然の中を行く】
その後、クモの糸の配置にミスがあったのか、突然トンボが解放された。おおお、わからんものだね。最後までわからんわ。最後まであがく事の大切さも教えられた気がした。
でも数分後、そのトンボは電灯の光に突進して、またクモの巣に、それも同じクモの巣にかかった。
同じこと繰り返しちまうもんだな。まあ狭い世界に生きているからね。なんだかそれ以上は人間を見ているような気分になって悲しくなるから、見るのをやめて寝てしまった。
それにしても頭痛が消えない。なんなんでしょ。
【列車内の食堂 ここでお茶を楽しみました】
【列車を追いかける子供たち】
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