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■ 性別: 男性
■ 年代: 20代
■ 件名: 初めまして
■ 本文:
初めまして。昨年12月迄シンガポール駐在をしておりアジアを中心に旅行し、その後一度退職をして現在は充電中の身です。先月1か月ほどヨーロッパを周遊しておりまして、明日からアメリカ東海岸を2週間ほど周る予定です。世界一周の記事、非常によくまとまっていて、楽しく読ませて頂いております。可能であれば3点伺いたいのですが、
1) アフリカ・南米はマラリア等の病気や誘拐・強盗等の犯罪に出会うリスクが高く行く決心がつかないのですが、実際それは杞憂なのか、それとも現実的なリスクなのでしょうか?
2) 現在はどういった活動・お仕事等をされているのでしょうか、またそれに世界一周の経験はどのように生かされておりますか?
3) 世界一周で得られた最大の学び・教訓は何ですか?
以上、どうぞよろしくお願い致します。
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今日はたまっていた質問に答えます。 目標3件の3件目!
回答がだいぶ遅くなってしまい申し訳ございません。既に帰国されていることかと存じますが、アメリカ旅行はいかがでしたか。住み慣れた日本でゆっくり休んで英気を養ってください。
早速いただきました3点の質問に答えさせていただきます。
1) 危険は0にはできません。しかし、最低限のルールさえ守れば確率をかなり低く抑えることができます。
私はアフリカを旅行していた時には、遠回りをしてでも大通り沿いを歩き続けること、早足で行くこと、後ろを人に歩かせないこと、前方に人がいる場合には逆車線へわたること、などを徹底していました。治安の悪い都市では夕方以降出歩かないのも基本です。治安の良いアジアや中東でここまでやると旅の楽しさが半減してしまいますので、旅行する土地、そのときの状況から適切(感覚に個人差があるのでアバウトですが)なレベルのルールを定めておくのが良いと思います。重要なのは事前の情報収集です。
しかし、どんなに気を遣ってもやられるときはやられてしまいます。被害に遭う可能性を0にすることはできませんので、そのあたりは「運」と割り切って受け入れるしかないように思います。
感染症については予防接種を受ける、薬を持ち歩くなど対策がとれます。マラリアには予防接種が存在しないうえに現地のたくましいハマダラカには日本の防虫スプレーは効きませんので、旅行期間にもよりますが刺されること自体を防ぐの不可能に近いです。しかし予防薬、治療薬は簡単に手に入るのでそれを常備しておくことで最悪の事態は防ぐことができると思います。当時、もっとも評判が良かった予防兼治療薬はコアルテムでした。私は予防薬としてメフロキンを飲んでいましたがバッチリ感染しました。
また、不慮の事故、病気に襲われた際、「海外旅行保険」が極めて重要になりますので、ここはケチらずに海外旅行期間分、加入しておいたほうが良いと思います。長期旅行者の何割か(感覚では4割くらい)は未加入で旅をしていますが、何か起きたときに自分だけでなく周囲にも迷惑がかかってしまう(遺体を日本に戻す場合には300万円ほど必要になります)ので、最低限の配慮として加入しておくべきだと考えています。
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2) 今は専門商社で営業をしています。
民間企業への応募は、日常の業務で英語力を必要とする職にしぼりました。しかし旅行を通じて学んだというわけでもないので世界一周の経験を生かしたわけではありません。世界一周で得たスキルを生かして再就職をしたという人は、私の知る限りでは1人しかいません。その方の就職先は旅行代理店でした。旅行をきっかけとしてお店を開いた人は何人か知っています。
帰国後に、「経験をいかした仕事をしないともったいない」という言葉を少なくない人数の知人からかけられましたが、世界一周の経験をいかした職というのものが一体何なのかイメージできずに不思議に思いました。おそらく、能力としてこの経験を買ってくれる企業というのはほとんどないと思います。
少し否定的なことばかり書いてしまいましたが、旅行中にはかなりまとまった自分の時間がもてますので、その時間の半分でも何かの学習にあてれば、それなりのスキルを身につけられる可能性はあると思います。私は旅行中に同じく世界一周をしている大学生を見ていて、空き時間に英語でもやっておけば帰国後の就職活動が楽になるのにもったいないなと感じたことをよく覚えています。そんな偉そうなことを言っている私はパソコンばかり触っていて、「あの人は海外にいるのに何をしているんだ。もったいない。」と思われていたことはまず間違いありませんがそこには触れないでください・・・。
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3) これは世界一周ブログの最終日に詳しく書きたいと思っています。
このホームページのトップにあるように、私は、
「人生にやりたいことをやる以上に大切なことはない!」と考え出発しました。
その大切さを再認識したのが一番かもしれません。
あとは、素直にシンプルに生きていこうと思いました。まっさらからの再スタートになったので、スタイルは変えやすかったような気がします。また、いったんレールを降りたことによって、周囲から年齢や経歴相応の何かを期待されることが極端に減ったので、惑わされることなく自分の意思を通しやすくなったようにも思います。
人によってはこれらのことをポジティブに受け取らないかもしれませんが、私は良かったこと、世界一周によって得られたものとして認識しています。本意には反しますが、同じ事象についてネガティブな視点から書こうと思えばいくらでも書くことができますので、結局は本人の捉え方次第なのだと思います。
生かすも殺すも自由ですが、その判断の材料だけは大量に手に入りますので、大きな転機になる可能性は十分にあると思います。
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以上です。