2009年7月2日のブログです
328日目
宿泊 : 夜行バス社内(パラグアイ・ブラジル) 移動 : 10:45 プエルトイグアス(アルゼンチン) ↓ バス(30min) 10:15着,15:30発 シウダーデルエステ(パラグアイ)※時差-1h ↓ バス(18h 30min) 翌日11:00 サンパウロ(ブラジル)※時差+1h
え?!
どういうこと???
どこだ??どこ行った???
あれか!本当にいい加減にしろよ!!
止まれって!!!!!!!
【トイレは臭いし最悪だったPluma社のバス】
・・・パラグアイ、ブラジル間の国境で入国手続をしていたときのことだった。シウダーデルエステから乗った国際バスからいったん降り、国境のイミグレーション手続きを行う。並んだ列が悪かったようで手続きには少々時間がかかってしまった。1,2分前までは同じバスの乗客も手続きを行っていたので時間は心配していなかったものの、バスの座席にはいくらか荷物も置きっぱなしにしていたため小走りでバスの場所まで戻った。
しかし、乗ってきたバスはそこから消えていた。目を疑う。近くに移動しただろうと思い周囲を見渡すも、バスも一緒にやってきた乗客たちの姿も見当たらない。生活に必要な荷物が詰まったバックパックはバスに積まれたままだ。行き先ははるか遠くのサンパウロ。かなりまずい状況であることはすぐに理解できた。
どういうことだよ、ふざけるなよと頭に血が上りかけるも、状況の深刻さを無視できるまでは至らず、逆に血の気が引いていった。怒るでも良い、嘆くでも良い、ここに立ち止まり、一気に流れこんできてどこにも定まることなく渦をまいている不快な感情を思いっきり外へと投げ捨ててやりたかったがそんな余裕もなかった。混乱している頭とは別に体は冷静で、残された可能性にかけるべく、進行方向へと続く道路を全力で走っていた。イミグレーションの建物の角を曲がると、目の前に何車線もある大きな道路が広がった。と同時に、見覚えのあるバスが目に入った。
バスまでの距離を見て直感的に間に合わないと感じたものの、すがれる可能性はそこにしかなく全速で走った。すぐに行ってしまうと思われたバスは、運良く大道路への合流に手間取りしばらく徐行で進んでいためなんとか追いつくことができた。バスに追いつくと迷うことなく車体後部を思いっきり叩いた。アフリカで、外から車を叩くことが乗るという意思表示になるというミニバスに乗ったことがあったのだが、軽く叩くだけで結構大きな音がするもので、「うるさいなあ」と思ったためにこのことをよく覚えていた。
数秒後、それに気づいた乗客が外を見て、そのすぐ後にバスは止まった。自動ドアが開き、中へと乗り込んだ。人数確認を怠った運転手と荷物を残していなくなっているにも関わらず問題にしなかった隣の乗客たちに腹が立ったものの安堵感のほうが大きく、乗り込んだ際に一言文句を言ってすぐに席に戻った。
バスの座席でしばらくぼんやりとした後、おいていかれたときのことを想像してこう思った。
「(恐ろしく)面倒くさいことになることだった・・・・。」と。
面倒くさい。まずこの言葉が出てきたことが嬉しかった。なぜなら、「面倒」ということは「できる」ことが前提の言葉だから。できないことに対しては、面倒だなんてことは思わない。どうにかできるけど面倒、という意味であるはずだ。
元来面倒臭がりな人間ではあるが、こうした状況でもそう思えたことが嬉しかった。おかしな話だが、面倒臭がる自分がとても頼もしく感じた。おそらく成功体験と覚悟の積み重ねから得られたものだと思う。面倒くさい領域が広がっていることを滑稽に感じながらも少し誇らしくて、それに気付かせてくれたこのトラブルとの遭遇に意味を見出すことができた。
年をとるにつれて幸せなバカになってきているなあなんてことを思いながら、サンパウロまでの18時間を過ごした。
【シウダーデルエステのバスターミナルで話をした靴磨きの少年】
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