54日目
移動 ハノイ→ラオカイ(9h)
宿泊地 列車内
日本の美術館で西洋の美術品を見る機会が簡単に得られますが、その他の地域の美術品を見る機会はなかなかありません。ということで、今日のテーマはベトナムの芸術とし、美術館と水上人形劇を鑑賞してきました。
まずはベトナム国立美術館。展示されている作品の大半が20世紀以降のもので、それ以前のものでは仏教関連の彫像が多く見られます。近代のものでは今回初めて目にした漆絵が独特の色彩を持っており、その製法とともに描かれた日常風景を楽しむことができましたが、その他の版画や油絵に関しては日本や西洋のもの比べると明らかにレベルが劣っているように見え、見ごたえはと言うといまいちだっというのが正直な感想です。
個人的に興味があったのは、中国とフランスに支配されていた歴史がどのように芸術に反映されているかという点でしたが、見て取れたのは文化の融合よりも文化の遷移だったように思います。文化や宗教は人々の心の拠り所になりますが、そのために植民地化などの政策でその地域を支配するにはまずその2点を壊してしまうのが手っ取り早いです。文化の熟成には非常に長い年月を必要とするので、他国の支配がその国の文化を変えることはあっても(良い方にも悪いほうにも)、それを育てることはまずないなと感じました。国や芸術に関してはそうですが、個人としても自分の内に文化とも言える基本的な価値観をそえた上で外の物事と接していかなければ、何も生まれなければ何にもならないように思います。全肯定と吸収はまったく別物なので、自分の意見・主張を持ち、これから出会う物事に接していかねばと言う気持ちが強くなりました。せっかくの機会のなので、ただフラフラするだけではあまりにももったいないので気をつけたいです。
水上人形劇は動かすのに相当力がいりそうだなーなんて思いながら見ていました。人形を介して表現する芸術を見たのは初めてだったのでこれも楽しめましたが、人と比べると当然表現のバリエーションは減りますし、人間や動物の姿かたちを模して人形を作っているだけにイメージに広がりがないように感じたので、芸術性よりも技術力に主眼を置いて見た方が楽しめると思います。
【水が人形のうごきに独特の効果を与えていておもしろいです】
【後ろで棒を操って動かしているようです】
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世界一周のコストはこちら!(ベトナム編)
世界一周の写真はこちら!(アジア編)
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